名 称
庄内チューリップ倶楽部
連絡先
役 員
代表理事 梅本 幸巳
担当理事 本間 隆一
担当理事 榎本 庸幸
担当理事兼プロデューサー 中村 恵二
沿 革
2016(平成28)年
同年10月に「いこいの村庄内」閉館。隣接地に1978年に開園し広く県民に親しまれた10万株のチューリップ園が放置されてしまった。
2017(平成29)年
有志による「旧いこいの村チューリップ球援隊」が結成され、同年5月から7月にかけて球根の掘り起こし作業を行った。その後、秋口まで選別、消毒、乾燥作業を継続して行った。その事務局を「NPO法人おうらの里おおやま再生プロジェクト」が担った。
また、掘り起こした球根の有効利用で、希望する自治組織等に球根の一部を配布し、各地でミニチューリップ園を展開した。
2018(平成30)年
前年に引き続き同年もチューリップ球援隊により、球根の掘り起こし、選別、消毒、乾燥、植え付け作業を行った。
また、同地にチューリップ園再開の要望が根強かったことから、球援隊らメンバーによる「庄内砂丘チューリップコミュニティ」を新たに結成し、再開に向けた調整活動を続けた。
2019(令和元)年
チューリップ園再開のための調整活動により、再開のめどが立ったことから、チューリップコミュニティの呼びかけにより同年11月に同地の一部1000坪に2万8千球の球根の植え付け作業を行った。
また、継続してチューリップ園を維持していくための組織づくりとして法人化の検討作業に着手した。
2020(令和 2)年
チューリップ球援隊やチューリップコミュニティの事務局を担っていた特定非営利活動法人おうらの里再生センター(旧おうらの里おおやま再生プロジェクト)のプロジェクトとして「庄内チューリップ倶楽部」設立した。
新型コロナ禍で開園が危ぶまれたが、規模を縮小し4年ぶりのチューリップ園開園。
目的と事業
当倶楽部は、庄内地方におけるチューリップ栽培に関する研究活動と品種保存に関する公益的な取り組みを行うことを目的とし、次の事業を行います。
(1)チューリップ品種の収集と保存管理、広報活動
(2)庄内地方におけるチューリップ栽培に関する調査研究活動
(3)庄内地方の公共花壇におけるチューリップ栽培と公益事業の取り組み
(4)前各号に掲げる事業に附帯又は関連する事業
事業を進める上での基本的な考え方について
いこいの村でのチューリップ栽培については、昨年(令和元年)11月に市民ボランティアの皆さん80名とともに、約3万球の球根を植え付け、今春の開花を待つばかりとなりました。そして、往年たくさんの人出で賑わっていたチューリップまつりの再開も目指し、地元西郷自治会様などのご理解を得ながら、市民有志による実行委員会も組織したところです。
これからのチューリップ畑の運営に当たっては、今までのようにすべてを行政任せにすることなく、サッカーのサポーター団体のように、末永くチューリップの栽培を応援する組織を作りたいと考えています。
出来ることなら、かつての10万球規模のチューリップ畑の再開を目指したいところですが、近隣にあるチューリップ園の規模をみた時、30万球とか40万球が当たり前の状況の中で、10万球だけでは観光資源にはならないのではないかという指摘もあります。しかし、元々旧いこいの村のチューリップ畑は地元の幼稚園・保育園の遠足場所や家族の日帰りレジャーの行楽地であり、入園料を取ったり、他地域から客を呼ぼうという施設ではなかったのです。前身の県農業試験場砂丘分場でも、GW期間中だけ見学者に開放する畑で、言葉を変えれば、コミュニティ対象のチューリップ畑だったと思います。
そんなことから、今流行りの言葉で言えば、「大きく背伸びしない、身の丈に合う、コミュニティガーデン」でいいのではないかと思うようになりました。それでも少しだけ欲を言えば、善宝寺から始まり、湯野浜温泉、加茂水族館、由良海岸までの、海岸線ドライブの途中にある立地は活かしていっていいのではないかと思います。
サポーター団体の準備会ではこれまで、旧荘内藩とゆかりがある千葉の佐倉市のチューリップ園などを見学したり、同じ砂丘地にある新潟県胎内市のチューリップ農家の施設を視察するなど独自の研究調査活動を行ってきました。そんな中で、何より嬉しかったのは、個人でチューリップの交配や品種保存に取り組んでいる東京のチューリップ収集家芳垣航輔さんから、珍しい品種のチューリップ球根を寄贈いただいたことです。芳垣さんは、個人で胎内市のチューリップ農家から畑の一角を借りて、700種のチューリップを育てています。芳垣さんはチューリップ収集家と自称しながらも、実はパンジーの交配などにも取り組む、「花創り家」あるいは「花づくりの若きデザイナー」と呼べる方なのです。700種といえば、富山県砺波市のチューリップ園も700種あると言われ、新潟球根組合が毎年開く球根の商談会でも500種くらい出品されています。
チューリップの品種は全世界で2000種以上あるとされ、日本国内にも1000種以上あるそうです。また、圧倒的にオランダが最大の生産国ですが、チューリップはアメリカ、中国、フランス、イタリア、ハンガリー、そして原産国トルコなど、多くの国で生産されています。
80年前、庄内砂丘に初めてチューリップの球根を植えた七窪思恩園の創設者五十嵐喜廣は、アメリカのカルフォルニアに滞在していた時に手に入れたチューリップの球根を植えています。ハンガリーは遊佐町と交流があります。食文化の関係では鶴岡市とイタリアもつながっています。これからの旧いこいの村のチューリップ畑は、何十万球を誇るチューリップ畑ではなくとも、世界にあるチューリップを小ロットでもたくさん植える施設でもいいのではないかと思うようになりました。オランダはもちろん、原産地トルコ、花の国フランス、食文化のイタリア、アメリカ西海岸、楊貴妃が愛した中国のチューリップなどストーリーを付けて、世界のチューリップを植えてみるのも楽しくなります。ちなみに、加茂水族館には世界のクラゲがいます。
自治体の財政規模、畑の広さ、チューリップ農家の数、そして何よりチューリップを愛する市民ボランティアの数により、身の丈に合ったチューリップ畑を後世に残したいと、私たちサポーター団体は考えています。今必要なことは、庄内砂丘でのチューリップ栽培の研究を続けることと、地域資源としてのチューリップ畑を守り続けることです。
令和2年2月
庄内チューリップ倶楽部